[コメント] テッド・バンディ(2019/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
もう25年ぐらい前に買っていた「マーダーケースブック」(ディアゴスティーニ社)。当時なんと96巻全巻揃えました!その中には映画の題材になっているものも多く、記念すべき第1号「シャロン・テート殺人事件:チャールズ・マンソン」は、記憶に新しい『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、第3号「ジョン・ゲイシー」は、『It』のモデルになったし、第5号「アンドレイ・チカティロ」は『チャイルド44』、第8号「アイリーン・ウォルノス」は、セロンがオスカーを獲得した『モンスター』など。第40号「肉親殺しの女たち:パーカー&ヒューム」は『乙女の祈り』、『コピー・キャット』なんて、その中から、いくつも模倣されていました。(一番のお気に入りは、第68号「実録・アルカトラズ脱獄計画」です。時おり、変化球ものが刊行されたが、その中でも異色の号。まるで一冊の小説を読んだような読後感でした。余談ですが)
このテッド・バンディは第4号「アメリカ横断 女子大生連続殺人」で取り上げられていて、結構シリーズの中でも早い段階で紹介された、アメリカでもかなり衝撃の事件だったようです。
この映画は、ガールフレンドの目線でみたテッド・バンディの姿を基本に彼女の手記をもとに製作されている。だから残酷な描写は極力抑えられています。だから余計に「首無し」にびっくりしました。でもちょっと「生々しい犯罪を限りなく再現したような映画」も見てみたい(もうあるみたいだが)。
映画のできよりも、やはりこのテッド・バンディの凶悪さは、映画を越えている。犯罪は映画より奇なり。これだけマークされていても、猟奇犯罪を繰り返す、その行動は理解できない。何度も脱獄をして、じっと隠れていればいいものの、その逃亡先でも止まらない衝動。前述のマーダーケースブックでは、被害者の写真が並べられていて、本当の被害者の数は、彼にしか判らないと書かれていた。そんな人が、自分の隣にいるかもしれない、という事が本当の恐怖。話が逸れてしまいましたが、マルコビッチが冷静な判事ぶりが、この映画の色を決めていた。
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