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[コメント] 冬時間のパリ(2018/仏)

フランスは「愛の国」と、もう一つ「議論の国」なんでしょうか?そういう映画を最近いくつか見た気もします。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まず、どうにもこうにもな「邦題問題」ですが、おそらくはアサイヤス監督の過去作(ビノシュ主演)の『夏時間の庭』を意識したんでしょうね?配給会社は。まるでゲーリー・マーシャル監督×ジュリア・ロバーツだから名付けた『プリティ・ブライド』みたいで、その後、アン・ハサウェイ主演映画にも「プリティ・シリーズ」が引き継がれた悪夢を思い出します。あと、「パリ」と「ニューヨーク」は安易に邦題に使いすぎ。

映画は、二組の夫婦と、その「不倫生活」を同時に描く「二重生活(原題)」と、その小説家が題材にする色恋沙汰は「ノン・フィクション(英題)」というものに、「小説」を含む文学が「デジタル化」されてゆく時流を、みんなで「議論」するところに熱を帯びでいる半面。私が見終わったときに感じたのは、「不倫生活」<「議論」でした。

これは、小説だけでなく、新聞、雑誌、そして音楽も、だんだん「マテリアル」なものが淘汰されて、「デジタル化」の道へと続くところに、大人たちが白熱した議論を重ねてゆくところ、そしてその先も含めて、興味深い話でした。

恋愛のところは「ちょっと引いた」のは確か(汗)。だからか、小説家の奥さんヴァレリーが、一番魅力的でした。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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