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[コメント] ダリダ あまい囁き(2017/仏)

♪ダリダ〜、ダリダ〜、ダリダ〜、広い舞台に踊る影〜、白いドレスの〜ダ・リ・ダ〜
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







うっかりと、映画を観る前に、映画の公式HPを覗き見たとき、「About DALIDA」というところをクリックしてしまい、幼少期から、出会い、別離、死までのひととおりを読んでしまった。しまったぁぁ。と思ったが、それを踏まえたうえで映画を見たときに、「この男は誰?」というのを回避できた。

映画としては、『エディット・ピアフ 愛の讃歌』と同系列(以下、同映画のネタバレあります)。あちらはマルセルという「運命の恋人」との出逢いと死別が、映画としての見所だったが、同じ「出逢いと死別」でも、なんというか「恋多き女」に見えてしまう。最初の結婚の前に、「妻と、母になる事の願い」を口にするが、そのどちらも自ら手放してしまった。

劇中に登場する5人の男。エントリーno.1「ラジオ局プロデューサー、ルシアン」。本来なら運命の人になってもおかしくない男。5年間の交際の後、妻を捨て、ダリダと結婚。しかし僅か1ヶ月で破局。公私共に一番ダリダの事を判っている男だと思ったが、その立ち位置は弟のブルーノの役目に。もっとここで幸せな日々を送ってもいいんじゃないかと思ったが、キャリアとプライベートの両取りはそんなにも難しいのか。

エントリーno.2 、画家のジャン。ルシアンがダメなら、彼が運命の人になってもおかしくないのだが、上手くいかない。彼は少なくとも劇中では「歌手ダリダ」ではなく、「一人の女性ヨランダ」を愛した男。歌手活動が上手くいっても、いかなくても、傍で寄り添ってくれる存在だったはずだが、自ら手放してしまった。ここまでこれば、ダリダが、「恋愛が上手ではない」とはっきり語られた。

エントリーno.3、イタリア人歌手ルイジ・テンコ。 どうして交際が始まったがよく判らないが、どうして自ら命を絶ったのかがもっとよく判らない。映画では歌手としての挫折を描いてるが、本当にそれだけだったのか。「ハイデカー」と言われて、「ハイデッカー車両(車高の高いバス)」を真っ先に思い出す私には、哲学的な事はよく理解できないです。映画冒頭、彼の死と、自殺未遂から描かれる。まるでこの映画のテーマは「愛と死」だと宣言しているみたいだ。

エントリーno.4、年下の恋人ルチオ。ここまで来るともう「来るものは拒まず」と思えてしまう。もう家族が呆れるくらいの。ここでのポイントは、妊娠→堕胎→産めない身体に。欲しいと言っていたのに。しかし彼の人生を壊したくないと、捨ててしまう。結果的に自分の人生を壊してしまった。その覚悟がないのに、何故付き合ったのかな?

この間にno.1のルシアンも自ら命を絶った。ギャンブルが原因なんでしょうか?ダリダにとって運命の人ではなかったが、彼にとっては、運命の人だった気がします。

エントリーno.5、伯爵?リシェール。もう彼に至ってはギャグでしかない。何でこんな男と付き合って、保釈金払って、別れて、また自ら命を絶たれて。ダリダは「ル」のつく名前の男が好きなのか?

本来ならここに、番外でアラン・ドロンを入れたいのだが、残念ながら登場せず。「♪あまい囁き」は、最近日本でのカバーで中村晃子、細川俊之バージョンをきいたが、まあ大人の歌ですね。

と、愛の歴史はひとつもいいところがなかったが、歌はどれも素敵でした。サントラ欲しいなあ。『エディット・ピアフ』は「美空ひばり」みたいだったが、ダリダは「小柳ルミ子」にみえました、

(評価:★4)

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