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[コメント] フィフティ・シェイズ・フリード(2018/米)

一応、義務感に駆られて三作目までつきあったが、もう全然ダメ。それでも1作目2作目を大幅に下回ったが、全米で『ピーターラビット』を抑えNo.1、1億ドル近い興行を上げてるのは、よっぽどの「信者」がいるのか、エロ目当てなのか?
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「1作目」「2作目」のネタバレも含みます。(かなり長文です。ほとんどが怒り)

メイズ・ランナー』も、なかば「義理」で3作つきあったが、まったくもってつまらなかった。そしてこの映画も。好評で続編ができた、というよりも、最初から3作の予定だったっぽいのかな?どちらも。『トワイライト』なんかもそうなのか?ちょっと主人公二人の立ち位置が『トワイライト』に似た部分もあるが、あっちのほうがずいぶんマシだったと今は思う。

話はそれたが、このシリーズは「大金持ちのイケメンCEO」と「ふつう女子」の、いわば「シンデレラストーリー」。そこに金持ち男の「嗜好」が話の根幹になる。

1作目は「はじまり」だったので、「そういう男なんだ・・・」ということで、金にものを言わせて女性を服従させる、という「曲がった欲望」に辟易した。これが「普通の男の欲望」だったら、ただのDVだし、それでも二人が「愛を感じる」のだったら、それは本物なのかもしれないが、大金持ちだから許される、という内容だった。いや許さないよ、ふつうは。

で、2作目なんだが、この作品次第では、どうにでも面白いほうへ話を持ってゆくことができたはずだ。しかし映画製作にも名を連ねる原作者のエゴなのか、脚本家の怠慢なのか、どうにも「生ぬるい」映画になった。この映画には、二人の「恋敵」が3人も登場する。それがどいつもこいつも「バカ」なんだ。ただの「恋路の邪魔者」でしかない。特に3作目にも登場する、アナの元上司のハイド。この男の行動次第では2作目も、3作目も、もっと面白いものになっていたと思う。

2作目に書いたことの重複だが、この男は2作目ではアナを「モノにしてやる」気マンマンで出張にさそう。しかし、アナが素っ気なくすると態度が豹変。力づくでモノにしようとするが、気づいたクリスチャンがハイドを金の力でクビにする。それが後に「復讐」へと繋がるんだが、彼が実は性格もいい男で、アナの編集の才能を見抜き、純粋に才能にほれ込んだとしたら?。

才能伸ばそうと、大抜擢するが、クリスチャンにダメ出しされて出張を断るアナに、「金持ちの悪い男に弄ばれているのでは?」と心配になり、別れたほうがいいのでは?と忠告するのだが、クリスチャンにクビにされてしまう。今まで地道に築き上げたキャリアと突然ダメにされ、クリスチャンを恨むが、それと同時にアナをクリスチャンから守りたい、という気持ちが愛情に変わり、二人の行方を追う、というような、「少しは感情移入できるような登場人物」だったら、どんなに違った展開になったんだろう。小説の読者は女性中心だが、その読者たちが「私はクリスチャン派」「ハイド派」とか、恋してしまう登場人物がもう一人いたっていいのに、ストーリーは主人公二人以外の人物を、感情移入できない「ただのガヤ」にしてしまった。

ミセス・ロビンソンこと小柳ルミ子、ことキム・ベイシンガーだって、「過去は過去だけど、もっと母のような大きな愛でクリスチャンに接していた」のなら、もう少し面白かったんだろうが、もう「ただの敵」でしかない。3作目に出演しなかったのは、そんなストーリーにキム・ベイシンガーが嫌気がさしたのかもしれない。

と、2作目がそんな出来だったから、もう3作目は「なるようにしかならない」。いきなり「結婚」から始まる。そしてお色気建築士に「私はミセス・グレイよ!」といきなり印籠を突き出す。「ふつう女子」だったアナは何処へ行ってしまった?もう私はセレブ気分?そして二人は「ところ構わず」盛りまくる。車で、お風呂で、キッチンで。そりゃ、濃厚ラブシーンに興味ないわけではないが、「私が見たいもの」ではない!。それが次から次へと、もううんざり。

話を転がすのは結局「ハイドの復讐」なんだが、3作目になってさらに悪い方向へ。2作目での「恨み」だけでなく、クリスチャンと同じ孤児院の出身で、自分が養子になっていたかも?という「嫉妬」が付け足された。何をいまさら?。大学を首席で卒業するなんてのは、かなりの努力家だよ。それなのに「レイプして脅していた」だとか極悪人扱いで。出版社に勤めるような男が、なんでヘリに細工できたり、会社に発火装置を仕掛けたりできるの?それに情報を手に入れたのに、安易に家に忍び込んで、簡単に捕まってるし。

そんなんでは映画に面白さなんか残らない。アナの親友のプロポーズの話なんて、まったく誰も興味ないはず。そして終盤にでてきた「妊娠話」。まず、避妊を女性任せにしている時点で、子供を望むとか望まないかじゃなく、男としての優しさがまったく感じられない。その挙句妊娠した妻を責めるだなんて。やはりあなたは歪んでます。

映画ではしきりに「愛の力」を強調していたが、これが愛なら、愛なんていらない!(といえるほど経験豊富じゃないので、未熟者のたわごとと思ってください。ただし、映画のつまらなさは保証します)。

1作目が21世紀の『ナインハーフ』、2作目が21世紀の『源氏物語』と以前に書いたが、この映画は21世紀の『ゴタール映画』→(私にとってはつまらない、ワケわからないの同異義語。ゴタールファンのかた、すいません)。

(評価:★1)

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