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[コメント] レディ・バード(2017/米)

10年前にオスカーにノミネートされたシアーシャ。好きになる男の子二人が、去年と今年のオスカー候補俳優だというのは、なかなか贅沢なキャスティングだが、内容は『少女A』だった。
プロキオン14

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つぐない』で助演賞ノミネートのシアーシャ、去年『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で助演賞ノミネートのルーカス君、今年『君の名前で僕を呼んで』で主演賞ノミネートのシャラメ君。20代前半の成長株を揃えて、とても豪華なキャスティングだが、これは「思春期の娘とその母の微妙な関係」という、わりとオーソドックスな映画でした。

レディ・バード』という、意味ありげなタイトルだが、その名前に込められた意味は、特に説明されなかった。まさか「鳥のように親元を羽ばたいて出ていく」だとかの意味で付けたのなら安易だ。(ウィキ情報によると、なぜそのニックネームにしたのか、監督自身も判らない、マザーグースの童謡由来かもしれない、とのこと)。そもそも自らをレディ・バードと呼ぶ彼女はどんな少女だったのか。

恋にときめき、母親に悪態をつき、地元を退屈な街だと嘆く。「♪いわゆる普通の17才だわ 女の子のこと知らなすぎるのあなた」と明菜も歌い出しそうな、普通の女の子だ。「♪早熟なのは仕方ないけど 似たようなこと誰でもしているの〜よ〜 じれったい…」と続けて歌いたくなる。スカート丈にも規定がある厳格なキリスト教系の高校なのに、あの髪の色はアリなんだ。髪の色で「個性的な女の子だ」といいたいのなら、レディ・バードという名前と同じで、無意味だ。そしてシアーシャには「普通の女の子」を演じても、あまり似合わない。

そういえば色々判らないところも多いな。彼女の兄は明らかに容姿が違うが、養子かつれ子か何かなんだろうか。あと、ミュージカルの監督をしていた神父さんがいなくなった理由は、結局皆に知らされなかったのかな?

というわけで、見所は、「母親と娘の物語」。あと、この映画の登場人物の中で、一番冷静に全体を見ていたのは、兄貴の恋人だった気がする。

(評価:★3)

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