コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ゲティ家の身代金(2017/米)

公開一ヶ月前のケヴィン・スペイシーの降板により、急遽再撮影で間に合わせた監督やスタッフ、俳優たちは素直にスゴイし、かえっていい方へ針が振れたとおもう。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







70年代、よく「誘拐事件」の報道を目にした。日本だけではなく、海外も。海外のそれは、組織的な犯罪で、身代金の額も桁違い。今回の映画の元になった事件も、そんなもののひとつでしょう。

今回の映画の見所は、そういう誘拐事件の顛末うんぬんじゃなく、「大富豪ゲティ」という男の老獪さ。彼の「お金に対する執着」とか、なぜそうなったか、人としての感情はないのか?と、十分すぎるくらいの貫禄で、この映画の行く末を左右している。

もともとこの役は、ケヴィン・スペイシーが演じていて、映画は完成していたが、公開一ヶ月前に、「例の事件」で降板することになり、監督の鶴の一声で、急遽再撮影がきまり、ゲティ役にクリストファー・プラマー御大が代役になり、撮影開始まで一週間、そこから二週間で完成させ、間に合った。そしてアカデミー賞にもノミネート。最高齢(現在88歳)でのノミネート。おかげで映画が引き締まって「世界一の大富豪」の名に恥じない、配役だったと思います。

この「撮り直し」は、マーク・ウォルバーグとミシェル・ウィリアムズの「ギャラ格差問題論争」という副産物まで産み、映画の出来以外の問題で話題になりました。

ちなみに孫を演じたチャーリー・プラマー君はまだ19歳。名前からしてクリストファー・プラマーの親族か?と思ったが、それは違うみたいだが、やはり芸能一家の子供らしい。

チンクアンタ役のロマン・デュリスが、場の空気を柔らかくしていたのが印象的。イタリア人の役にフランス人俳優を当てたのはびっくりだが。

それにしても「マスコミ」の群がり具合はすごいね。どこの国もいつの時代も一緒なんですね。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。