[コメント] ゲティ家の身代金(2017/米)
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70年代、よく「誘拐事件」の報道を目にした。日本だけではなく、海外も。海外のそれは、組織的な犯罪で、身代金の額も桁違い。今回の映画の元になった事件も、そんなもののひとつでしょう。
今回の映画の見所は、そういう誘拐事件の顛末うんぬんじゃなく、「大富豪ゲティ」という男の老獪さ。彼の「お金に対する執着」とか、なぜそうなったか、人としての感情はないのか?と、十分すぎるくらいの貫禄で、この映画の行く末を左右している。
もともとこの役は、ケヴィン・スペイシーが演じていて、映画は完成していたが、公開一ヶ月前に、「例の事件」で降板することになり、監督の鶴の一声で、急遽再撮影がきまり、ゲティ役にクリストファー・プラマー御大が代役になり、撮影開始まで一週間、そこから二週間で完成させ、間に合った。そしてアカデミー賞にもノミネート。最高齢(現在88歳)でのノミネート。おかげで映画が引き締まって「世界一の大富豪」の名に恥じない、配役だったと思います。
この「撮り直し」は、マーク・ウォルバーグとミシェル・ウィリアムズの「ギャラ格差問題論争」という副産物まで産み、映画の出来以外の問題で話題になりました。
ちなみに孫を演じたチャーリー・プラマー君はまだ19歳。名前からしてクリストファー・プラマーの親族か?と思ったが、それは違うみたいだが、やはり芸能一家の子供らしい。
チンクアンタ役のロマン・デュリスが、場の空気を柔らかくしていたのが印象的。イタリア人の役にフランス人俳優を当てたのはびっくりだが。
それにしても「マスコミ」の群がり具合はすごいね。どこの国もいつの時代も一緒なんですね。
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