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[コメント] ハドソン川の奇跡(2016/米)

なんて爽やかな航空事故映画なんだろうか。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まだたった7年前の出来事。世界で報道された「表」の部分と、あまり知られていなかった、その後の「裏」の部分。

もっと「事故」に重点を置いた「パニックムービー」的なものを想像していたが、その後の「裁判」とも言うべく委員会の告発があり、それを通して、あらためて事故の緊迫した出来事が鮮明になっていく。

そして本筋というべき、その事故の映像。ギリギリの決断、緊迫した機内、管制官とのやりとり、川への不時着、そしてその後の、遊覧船や救助艇の手に汗握る救出劇。一番最後で機長が「君(副機長)や、救助隊のみんなのおかげだ」という言葉が印象的なのは、その部分を実に丁寧に描いているからだと思う。

そして「裏」の部分、委員会の告発。「着水」を「墜落」と執拗に言い連ねたり、左エンジンがまだ動いていたはずだとか、家庭に問題が?とか、なんかいろいろフェアじゃない。それでいて、シュミレーションの回数を聞かれたら「17回」とちゃんと答えたり、ちゃんと理の通った反論ならば、すみやかに受け入れたり。

この心の底からの正義の「表」と、何事も白黒つけたい訴訟社会的「裏」の部分と、どっちも「アメリカ」だなって強く思う。(余談だが、「グレー」が好きな日本人。豊洲市場の盛り土の「だれが指示したか判らない」とかのニュースは、アメリカではありえないんだろうと思う)

トム・ハンクス、今年はもうすぐ公開の「インフェルノ」とあわせて3本の主演映画が公開される。最近少し見ないなぁとか思っていたが、まだまだ元気ですね。競演のエッカートとあわせて、とても素敵でした。

(評価:★4)

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