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[コメント] マレフィセント(2014/米)

「アンジーの、アンジーによる、アンジーのための映画その2」(その1は『ソルト』です)
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私はディズニーアニメとしての『眠れる森の美女』をちゃんと見ていないから、こういう話かと一瞬思ってしまったけど、違うよね?

白雪姫』の魔女や、『シンデレラ』の継母みたいな、いわゆる「悪役」としての存在だったはず。

だから私は『スノーホワイト』のシャリーズ・セロンと比較しての、「オスカー女優の美しき悪役対決」が楽しめると思って映画を見たのですが、なんというか、「マレフィセント」にしか感情移入ができない作りになっている。製作総指揮アンジーたる所以なのか。

スノーホワイト』の場合、映画トータルの評価はそんなに高くないんだけど、「悪役」としてのセロンが、「ため息が出るくらいの美しさ」「背筋が冷たくなるくらいの貫禄」「胸が締め付けられるくらいの悲しみ」などを十二分に発揮していて、主役はあくまでスノーホワイトでありながら、この映画を支える存在となっていました。

そして今作。アンジーも「美しさ」「貫禄」「悲しみ」を表現してはいたが、セロンの「それ」とはまったく違う、「主役」としての存在になっている。

「悪役」でありながら「主役」を務めるような展開にだって、いくらでもできたと思うのだが、なんというか、「悪役」から逃げてしまって、「私はアンジェリーナ・ジョリーよ!」「私が主役よ!」という、強い主張が感じと取れる。

実際この展開では、ステファンを悪役にしたのはいいとして、オーロラの「実母(王妃)」が、この上なく不幸だ。せめてオーロラが、この不幸な王妃に少しは思いやる気持ちがあればいいのだが、その「母親」としての気持ちを、マレフィセントが独占してしまっている。

まあ、そんな「アンジー様映画」を製作できてしまうだけの「力」と「人気」を持っているんだ。いまのハリウッド女優では、そんなのができるのは彼女か、ジョディ・フォスターぐらいだ。

(評価:★3)

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