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[コメント] マイマイ新子と千年の魔法(2009/日)

「この世界の片隅に」のヒットによる再上映で鑑賞。後半の「事件」に、心が震えた。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







前半の、新子と貴伊子の交流、子供たちの冒険、新子の視る千年前の少女と人びとの暮らし。それだけでもおもしろい話でしたが、それだけなら、ただの想像力豊かな少女の話で終わってしまう。

ところが、突然起きた「事件」で、映画の「色」が変わった。いや、色が増えた。子供たちが見たこともない色鉛筆の色で描かれた出来事が起きた。見ていた私は、心が震えた。木刀一本持って夜の街を進むふたり。しかしそこで大きなことをしたわけではない。大人びた少年が感情を吐き出し、泣いて、笑った。新子も泣いて、笑った。そして別れた。言葉にすると味気ないが、ガチガチに縛られた紐をほどいたような解放感を感じた。もうふたりは二度と会うことはない気がするが、とても爽やかな、子供らしい旅立ちでした。

一方、貴伊子の平安少女の話も素敵でした。でもちょっともの足りないかな?新子しか見えなかった「魔法」が貴伊子にも見えたけど、夢から覚めた時に、貴伊子にも、色が増えたような話がもっと欲しかった。

今回、再上映でようやくこの映画が見られて良かったです。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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