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[コメント] セトウツミ(2016/日)

「原作を少し読んだけど文字が多くて読みづらかったんで、映画がちょうど良かった」という意見を聞いた。「映画はほぼ原作通りだから見る必要ない」という意見も聞いた。どちらもその通りだと思った。(ネタバレはむしろ原作のほう→)
カルヤ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ん〜・・・評価が難しい。

本作の存在を知り、そして原作の存在を知った。

漫画好きとしては、先に漫画を読もうと思った。

何だ漫画面白い〜、文字多いけど全然問題ないわ〜むしろこの文字の多さが良いわ〜と思っていたのだが・・・終盤、衝撃的な展開を迎える。面白くはあるのだが、個人的には蛇足だったと思う。あのまま会話劇だけでも良かったのに。もう内海をどう見て良いかわからない。思わず最初から読み返してしまったが、やっぱりそれまでの内海と整合性が取れていない気がする。

そして映画を見た。

まず、瀬戸は百点満点である。まあ菅田くんなら間違いないだろうと思ってはいたが。しかし池松くんの内海は百点満点とはいかない。本作は関西人でないと難しいだろうと思っていたのだが、話し始めた瞬間に彼が関西弁ネイティブでないことがわかってしまったからだ(私は関西人ではないが非関西人の変な関西弁が嫌いなので敏感である)。ただ、変な関西弁というより共通語寄りのアクセントだったので、そこは気にならなくはなっていった。

しかし、それでも内海がしっくり来ない。つまりこれはもう池松くんだけのせいではない。私が内海をどう見て良いのかわからなくなってしまったせいだろう。二人の会話劇に段々引き込まれていったものの、最後まで内海の違和感をぬぐえなかった。

映画の評価できる点は、原作の終盤の展開が織り込まれず、会話劇のまま終わりを迎えたことである。(これは単純に映画化のタイミングの問題かもしれないが、あの展開は実写化すると陳腐な感じになりそうなので正解だと思う)

しかし、会話劇そのものの面白さは、完全に原作の勝ちである。実写化としては申し分ない出来だと思うが、原作の瀬戸と内海はもっとキレッキレである。

つまり、原作の良い部分を活かした良作だとは思うが、その良い部分を超えられてはいないので・・・迷ったが、ちょっと厳しめに☆3で。

ちなみに、原作にも載っている特報用の短編は凄く面白かった。特に3本目の「スタンディングオベーション」は原作を超えていたと思う。だからこそ、本編ももっとできたのではないかと思うのだ。

(評価:★3)

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