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[コメント] 3−4X10月(1990/日)

たけしの怖さとは、鈍器的なモノだと思う。
もしもし

当方26歳の男子にとって、子供の頃のビートたけしの印象とは「なんだか怖そうなおっさん」だった。ツービートの時代はリアルタイムで見てないので、テレビで無茶難題を団員に課すボスキャラの方を、圧倒的に見ていたからかもしれない。私服もヤーさんぽかったし。あと「ひょうきん族」派じゃなくて、「全員集合」派だったからな。土曜8時は。

でも、やっぱり怖かったのはあの目だ。笑ってない。それも、近くにノコノコ行ったら、ビール瓶でいきなり殴られそうな感じをかもし出す目。子供心には、カトちゃんとかブーとかと同じ職種の人とは到底思えなかったのだ。いや、まだ怖いんだけどね。でも昔の怖さをビール大瓶に例えると、今は小瓶って感じ?

というわけで、この映画はその頃のビートたけしの怖そうな、ビール大瓶のイメージを、そのまま映画に詰め込んだような印象を与える。画面から一瞬も抜けない緊張感といい、狂ったキャラといい、肉切り包丁でぶった切りしたような省略法といい、そして、あのいきなりなラストといい、たけしが、「北野武」のセンチメンタルな美に自覚的になる前の視点が100%の濃さで出ていると思う。

というわけで、今日もこの映画を見ながら、ちょう怖かった頃のビートたけしを思い出して、ビクビクするのだ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (10 人)irodori HW[*] イリューダ ねこすけ ナム太郎 Linus[*] crossage[*] 太陽と戦慄[*] ぽんしゅう[*] けにろん[*]

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