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[コメント] 誘う女(1995/米)

監督は役者の個性を伸ばすのに美味い人だと思うけど、悪い意味で個性を伸ばしてしまったな。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 1990年に起こった実話を元に、キッドマンを主役に据えて作られた作品。

 当時トム・クルーズと結婚したばかりのキッドマン。この二人の共通項は、どっちも美男美女で、ただ顔が良くて格好良い、あるいは美しいだけの役が期待されているのに、本人たちは自分に実力があると信じ、もっと多彩な役を演じようとしたこと…まあ実際その通りで、二人とも役者としては見事に成長したわけだが。

 そのステップアップを果たそうとしたキッドマンが、まるで自分自身をパロディ化したかのような役に挑戦した。

 実際、この作品のキッドマンは見事に演じきった。しかし、この役を立派に演じるというのは、むしろキャリア的にはマイナスになったんじゃないか?と思えるほど。

 想像だが、たぶん制作側としては、キッドマンに期待していたのは綺麗な顔だけで、ナチュラルに演技してくれれば、それで充分馬鹿な役ができると思ってたんだろうと思う。

 でも、キッドマンは頑張らなくて良いものを頑張ってしまった。お陰でここに描かれる馬鹿女の迫力は凄まじいものになり、コメディのはずなのに、キッドマンの姿見てるだけで息切れがするくらい。

 軽いコメディを期待して観たら、キッドマンの迫力に押され、何がなんだか分からないうちに終わってしまった。そんな感じである。

(評価:★2)

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