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[コメント] 何かが道をやってくる(1983/米)

一見ありふれた映画の手法ながら、結構ジーンとさせられました。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これは題目を見れば分かるとおりレイ・ブラッドベリ原作作品の映画化(ブラッドベリ自身脚本で参加している)。ブラッドベリの小説は読むたびに非常に不思議な気分にさせてくれるので凄く好きだが、この映画を観てはっきり分かったことがある。彼の小説は非常に映像的なのだ。現実の世界と半分だけずれた不思議な空間。まるで文章で映画を作っているかのよう。

 それでこの映画だが、雰囲気が兎角良い。特に前半、暗闇をついて皓々と光り輝くライトを伴ってカーニバルを乗せた蒸気機関車がやってくる所とかはもう最高。良くブラッドベリの作品を分かってらっしゃる(当然と言えば当然なんだけど)。中盤以降多用されるアニメーションはおそらく筆塗りだろうけど、これも上手く合成されていた。

 物語は一見月並みに見えつつも、過去と現在にまたがる人間の欲望が交錯し、そこに悪魔が絡む辺り、ブラッドベリ独壇場!(スティーヴン=キングもこの辺の描写上手いんだけど、キング自身ブラッドベリに傾倒している訳で)。最後も上手くまとまっていた。映画冒頭でモノローグされていたが、この作品の主人公は間違いなくお父さんなんだよな。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)おーい粗茶[*] uyo

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