[コメント] 男と女(1966/仏)
映画の基本を極限にまで推し進めた形とも言えるでしょう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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映画の基本は人同士の出会いと感情の共有(まあ、多くは“愛”という形を取る)である。極端な話、これを抑えておけば、ストーリーは添え物とまで言っても良い。それを極限まで推し進めたのが本作であると言って良かろう。
ルルーシュ監督の挑戦であるかのように、本作は本当に筋がシンプルで、妻に死なれた男と夫に死なれた女が出会うだけというもの。本作のテーマを愛にして、余計な部分を全てこそぎ落とした結果が本作になったのだが、卓越した映像センスと間の巧さでここまで持って行った感じがする。このシンプルさは、一部の批評家からは「ただ美しいだけで、観終えた後に何も残らない映画」とまで言われるが、逆にそれが本作を名作に押し上げたのだろう。
筋ではなく映像センスだけで映画を作り上げるという手法は、やはりフランス映画の良さ。ヌーヴェル・ヴァーグを経て、ここまで到達したとも言えよう。
音楽も良い。だばだばだ〜というここでの音楽はよくCMで用いられるようになったたため、聞き慣れた感じで耳にも心地良い。
ただ、ひねりというのがほとんど無い作品なので、筋を追おうとすると、たんなる退屈なだけの作品になってしまうのがネック。好きな人とそうでない人は分かれるだろうけど、「こういう映画もあるんだな」と思わせる事が出来るので、特に映画好きにはお勧めしたい。
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