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[コメント] ウィークエンド(1967/仏=伊)

やっぱりゴダールでなかったらこんな面白くはならなかったと思います。この監督の特別性を改めて感じる作品ですね。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 『中国女』(1967)に続く資本主義批判の集大成と言われる作品で、ゴダールの不条理世界がこれでもか!と言う風に出てくる作品で、最早ここまで来るとヌーヴェル・ヴァーグと言うよりは前衛劇にしか思えない。

 しかし、それが面白くないか?と言うとそうじゃない。むしろここまでやられると逆に、次に何が来るのか?と言う思いを持って画面を見ることになるし、次の展開がなんだこりゃ?だったりすると、かえって楽しくなってくる。そう言う意味ではゴダールというのは特殊な監督なんだと思う。

 それらが可能なのは、場面の転換が行き当たりばったりの即興に見えていながら、物語となっているのは「現代性」というテーマに貫かれているからなんだろう。

 無茶苦茶描かれているようであって、実はここでは電化製品に囲まれた生活、親子の確執、ヒッピー文化とビートニク世代の違い、そしてフリーセックスなどについて、と、とにかく色々なものが詰め込まれ、しかもそれら全てが破壊的に用いられているのが特徴。当時の時代を如実に示す資料として考えることも出来る。

 この時代というのが分かってくると、更に本作の面白さが分かってくるだろう…ちょっと気持ち悪いけどね。

(評価:★4)

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