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[コメント] ビッグ・ウェンズデー(1978/米)

結果として日本ではサーフィンブームが爆発することになりますが、日米でどれだけ意識が違っていたかをよく示す出来事でしょう。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 実は私は本作を誤解していた。てっきり波乗りを楽しんでる脳天気な若者が伝説の波を前に、果敢に挑んでいくと言った内容か?と思っていた。多分これは『稲村ジェーン』(1990)を先に観ていて、これはきっと本作が元ネタなんだろうと思いこんでいた事による。せいぜい良くても海を舞台にした『アメリカン・グラフィティ』(1973)の劣化コピー辺りだろうと思っていたのだが…

 これがこんなしっかりした内容だとは思ってなかった。確かに『アメリカン・グラフィティ』っぽさはどこかにあるものの、むしろヴェトナム戦争の時代を通して、変わっていく人間模様や、その中で変わらないものを求めていく仲間達の物語を、数年の時代を通して描く作品だった。内容的にもかなり重い。サーフィンのシーンばかりがメディアに露出していたのは、実は物語の評価としてはマイナスだったのかも知れない。もっとドラマ性を強調すべきだったんじゃないかな?

 改めて考えてみると、ミリアス監督がそんな単純な作品を作るはずがないか。

 事実本作はアメリカではあまり受けが良くなかったらしい。アメリカ人にとってはヴェトナム戦争は忘れ去りたい記憶であり、それが全面を通して出ているのだから。一方日本で本作が受けたのは、その暗さがメタファーとしてしか受け取れないためだったのかもしれない。

(評価:★3)

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