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[コメント] 続 夕陽のガンマン 地獄の決斗(1966/伊)

演出は際だって良い作品です。しかし、その演出を持っても、時折退屈するのがレオーネらしさ。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 本作の面白い所は、原題とは違い、誰が善い奴なのかが分からないという点。主人公のイーストウッド演じるジョーだって、決して良い奴じゃない…と言うか、ストーリーを通してみるとジョーこそが一番の悪者にも見える所が味噌だろう。ところがその悪者っぷりこそが本作の最大の魅力でもある。彼らは他人の迷惑とかそう言うことは全く考えず、自分のやりたいことをやりたいようにやっている。それが時として命のやりとりになったりするが、それも含めての自由と言うものがここには描かれているようだ。しかし、そう考えてみると、自由に生きるってことは、長生きできないって事なんだろうな。

 本作もレオーネ監督特有の演出は冴え渡る。極端なアップが多用され、ほとんど目だけで演技している部分もあり。それが緊張感を生み出すが、そこにモリコーネの音楽が加わることによって、最高の演出となっている。これこそクール!ってやつだ。

 イーストウッドの格好良さは際だってるけど、クリーフの冷静ぶりも、どことなく憎めないウォラックの小悪党ぶりも心地良い。

 ただ、やっぱりこれもレオーネの特徴で、ストーリーとか設定とかはどことなく間延びが感じられ、3時間という時間を有効に使っているのかどうか、その辺が評するのが難しい。妙に緊張感が持続する上、時として間延びするため、妙に退屈になってしまうことがあり。それに、橋のシーンは力入ってるが、元々ここはそこまで力入れるほどの事か?…いや、これも又味か?

(評価:★4)

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