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[コメント] 天と地と(1990/日)

角川の力を見せつけた大作です………ある意味。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 1980年代の邦画を語る上で、牽引力という点で避けては通ることの出来ない角川映画。主にアイドル路線の映画を作っていたが、他にも時折大作を散発。そしてこれが1980年代の角川渾身の、そして最後の輝きとなった作品。

 しかし、角川らしいというか、金の無駄遣いというか…壮大な“だけ”で何の魅力もない作品に仕上がってしまった。いっそここまでやると「流石角川」と言ってしまおう。

 要するに本作は川中島合戦が作品の肝。そこに至るまでに男女の愛憎劇が描かれることになるのだが、先ずこれがもの凄い陳腐。ただぐっちゃんぐっちゃんの愛憎劇が延々と続き、観ていて苛々するばかり。

 それで長々と苛つかせておいて、最後の合戦になるわけだが、これが又凄い出来。  軍勢は静かに右から左へと移動して、時折鉄砲の音が聞こえ、長い槍を打ち合わせるだけ。しかも登場人物全員が腰が引けてる。

 最後までじりじりと待たせ、その最後で唖然とさせる。ひょっとしてそれが狙いか?ここまで無駄遣いが出来るんですよ。という角川の主張が見えるようだ。考えようによってはある意味素晴らしい映画でもある。

(評価:★2)

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