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[コメント] ニジンスキー(1980/英)

「いつか必ず(精神が)壊れるのは分かっていた」…だからこそニジンスキーは輝いてたんだね。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 実在の人物で天才ダンサーと呼ばれたニジンスキーの妻ロモラによる「その後のニジンスキー」をベースとし(彼自身も精神を病む前に「ニジンスキーの手記」という作品を書いており、それも活かされているそうだ)、彼がディアギレフによって捨てられるに至る約1年間を多くのダンスシーンと共に撮った作品。

 何というか、非常に性的描写を前面に出した作品で、ここまでストレートに同性愛を撮りきったのは、この時代にしては珍しかったのでは?

 ダンスシーンはかなり凄く、ニジンスキー本人の踊りを見た事がない私でも(当たり前だが)、その狂気が垣間見られるような気分になった。特に“牧神の午後”ではなんと自慰シーンまで見せてしまうと言うサービスぶり(事実本当にあった事だそうだが…)。ダンスに狂気を封じ込めたニジンスキーは、ディアギレフが言うように、いつか必ず精神が壊れる存在だった。それを淡々と撮りきったところが凄い。

 静かに、時に激しく、徐々に壊れていく人間…うーん。好みだわ。

(評価:★4)

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