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[コメント] トラック野郎・望郷一番星(1976/日)

当時の時代のパワーを味わいたい人ならお勧めできます。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 70年代、特に東映作品が最も輝いた時期。ただし、そこで上映された映画は暴力と下ネタ連発の、今から観ると泥臭いものばかり。当時の最も流行ったものを何でもかんでもぶち込んだ雰囲気があるのだが、それがパワーに転換出来ていたのが当時だったとも言える。

 本シリーズに関しては、これまでの1〜2作はどこか模索している雰囲気があって、行きすぎた所が多々見当たり、物語自体の完成度は無茶苦茶だったが、3作目の本作になるとかなり手慣れてきて、下品さを売りにしつつも、物語性を高めようと言う努力は認められる。北海道が舞台だけに雄大な自然もあり、その時その時に誠実な桃次郎による純愛あり、喧嘩によって醸成されていく友情もあり。色々詰め込んでいながら結構物語もきちんとしている。

 確かに時代とは言え、風俗に子ども達を連れて行くなんて物語を作れた事だけでも充分凄いと言えるが、それだけでなく、本作は演出が結構良かったりする。カムチャッカの熊との喧嘩の中で突然女っ気が出てくるとか、恋に破れてやけくそになった桃次郎を応援する北海道のトラック野郎の声援に押されてゴールする一番星とか、観てるこっちが熱くなる演出に溢れている。それが本作の醍醐味って奴だろう。

(評価:★3)

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