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[コメント] インデペンデンス・デイ(1996/米)

この映画はリアリティに溢れてます。現に911テロから現在の世界情勢を見てみると、本当にこの映画の通りになっていますので。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 それこそ映画創成期の頃からある宇宙人による地球征服と、それに反抗する人間側の努力が描かれている。それこそ色々と手を変え品を変え、様々な意味での侵略がこれまでに描かれてきたが、基本はやはり問答無用に攻撃してくる敵と、それを迎え撃つ人間の雄志。そう。馬を飛行機に乗り換え、襲い来るネイティヴアメリカンを宇宙人に置き換えた、そのまんま古い西部劇である。これを第二次世界大戦に置き換えると『パール・ハーバー』(2001)になる。ストーリープロットは本当にそっくりなので、並べてみてみると面白いよ。

 本作はそれを全く衒うことなくストレートに描ききった。ある意味において、SF映画として一番ベーシックに、そして最も溜飲が下がる作品に仕上がってくれた(ただし、アメリカ人限定)。問答無用に圧倒的戦力で攻撃され、本来市民を守るはずの軍隊さえも壊滅状態。そこで市民一人一人が立ち上がって徹底抗戦。市民と軍隊が一致団結して敵を追い返した。多分これが最もアメリカ人に受け入れられやすい作品と言うことなんだろう。

 これ自体に文句を言うわけにはいかないだろう。だって本作はアメリカで作られた作品なんだし、アメリカローカルで楽しめればそれで良いんだから。問題があるとしたら、最初から本作を全世界で公開することを目的として作られたという事だけ。これだけアメリカ人以外の人間の精神を逆なでする作品は無かろう。アメリカの愛国心をオブラートに包むこともなく作り、それを堂々と輸出する精神にこそ唖然とさせられる。  本作であれ『パール・ハーバー』であれ、「アメリカにたてつく野郎は、たとえそれがどんな奴でも報復してやる」という宣言であり、事実それはアフガン・イラク戦争で奇しくも現実で本当になってしまった。

 そんなことを考えてみると、本作で描かれたアメリカ人の描写というのは、かなり真に迫っているのかもしれない。

 まあ、それでも娯楽として観る分には深いところが全くない作品なので、頭空っぽにして観るには良し。今観ても演出の派手さだけは充分楽しめる。

 エンパイア・ステートビルが爆破されるシーンでは、視覚効果を重視し、ビルを通りの突き当たりにそびえさせる。

(評価:★3)

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