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[コメント] 白いドレスの女(1981/米)

この映画を本当に楽しむなら、夏にクーラーを消してご覧ください。不快感がとっても増します。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 本作品の監督カスダンはスピルバーグやルーカス作品の脚本家として有名な人で、これが初監督作品になるが、とても新人とは思えないほどの手慣れた撮影で、フィルム・ノワールの新境地を切り開いた。

 暑さの表現というのは黒澤明監督の『野良犬』がなんと言っても上手いが、本作も負けてない。うだるような暑さと、ねっとりした肌の触れあい。その辺の演出が非常に巧い。風鈴という小道具の使い方も見事。ファム・ファタル(運命の女)キャスリーン=ターナーの肢体と悪女ぶり、気分にムラっけのある男の役を演じるハートの上手さも良い。フィルム・ノワールの王道を行くようなストーリーだが、二転三転のストーリーも、ラストの虚しさの演出もなかなかのものだ。

 ただ、問題は私はこの手の作品がとても嫌いだと言うこと。大体暑いのが苦手だから汗だらけの姿を画面で見たくないし、ねっとりした男女の絡み合いとかを見せられるのも実は苦手

 …そうなると撮影の上手さが逆に嫌みになってしまう。結果、素直に楽しむことが出来なかった。

 良い作品なんだろうけどなあ。純粋に私自身の問題として勿体ないと思う。

(評価:★3)

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