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[コメント] 危険がいっぱい(1964/仏)

コメディ仕立てですが、内容は江戸川乱歩じみてて、かなり好みです。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ヘンリー=フォンダの娘として華々しくデビューしたジェーン=フォンダだが(本人は親の威光をあくまで否定してるが)、やはりアメリカでは父の影響が強すぎるためか、一時期フランスに活動の場を移したことがある(そこで最初の夫であるヴァディムと結婚することになる)。その渡仏一作目が本作で、監督ルネ=クルマン、共演がアラン=ドロンと、大変にぎやかな内容になっている。

 でも、ここで目立っていたのはフォンダよりもドロンの方。何かとマイナスイメージで捉えられる事の多いドロンだが、実際は結構器用な役者で、本作でも気弱なくせに内弁慶な男の役を上手く演じていた。表にあまり出ないようにしつつ共演者を引き立たせていた。

 物語も話はすっきりしているが二転三転。状況がコロコロと変わり、その中であたふたする人間模様を時にコミカルに、時に緊張感一杯に、そして時に残酷に描く。気が強く直情的な性格とばかり思ってたメリンダが取った行動は…女って怖いな。

 フランスのサスペンスの特徴か、設定部分には「?」と思わせる所も多々あるものの、物語の軽快さとキャラの良さ、洒落た音楽の使い方の演出も良く、かなり楽しませてくれた作品である。

(評価:★4)

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