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[コメント] チャイルド・プレイ(2019/米)

別段目新しさはなかった。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 1988年に作られたチャイルド・プレイ(1988)を皮切りに、現在までに既に7本が映画化されているチャイル・プレイ・シリーズ。ほとんどの人は、一度完結した3(1991)までしか知らないだろう。それなりのホラーファンだったら『チャッキーの花嫁』(1998)くらいまでは知ってるかもしれないが、それ以降もシリーズは続いており、実は未だ完結していない。

 未完の作品ならその完結編を作れば良いとも思うのだが、そっちは別系統で企画があるらしく、本作は完全リブートとして作られることになった。

 それでリブートとして作られた本作は基本的なストーリーは第1作の『チャイルド・プレイ』(1988)に準じているが、いくつか大きく異なる点もある。

 チャイルド・プレイと言えばチャッキーだが、オリジナル版のチャッキーとはチャールズ・リー・レイという連続殺人犯が自らの魂を人形に封じたもので、中身は殺人鬼の人間だった。その呪いがホラーとして機能しており、おどろおどろしさがあった。

 それに対して21世紀に作られた本作のチャッキーは純粋なAIで、子どもの感情を最大限汲み取ったことから、歪んだ欲望を実現するために邪魔な人間を排除するようになってしまったというもの。

 今やスマート家電の時代で、チャッキーも人形と言うよりAI家電の延長の存在。時代に合わせた結構新しい作品のようにも思えたのだが、観ている内に別段新しさを感じることはなかった。

 人間の命令に忠実なあまり人を殺すというストーリーはまさしく『2001年宇宙の旅』(1968)のHALで既にやってたし、自立型AIの暴走って、実はSFとかホラーで結構多い。このチャッキーは『スペースキャンプ』(1986)に登場するAIロボットのジンクスっぽくもある。

 主人公のアンディが軽く心を病んでいて、他人を悪意持って眺めてるので、それに合わせたということで、子どもが比較的邪悪な存在として描かれているのは割とユニーク。

 特徴と言ったらこれくらい?演出的にも物語的にもさして特徴がある訳でないので、チャイルド・プレイのリブートという以外に魅力はない。アンディの性格が歪んでいるという前提があるならば、そちらの方をもう少しツッコめば面白くなったような気はするが、微妙かな?

 あと困ったのがチャッキーの造形で、こんな愛嬌もない不細工な顔の人形を家に置きたいとは到底思えないのだが、アメリカではそうでもないのだろうか?

(評価:★3)

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