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[コメント] ネズラ(2002/日)

ゴジラはゴリラ+クジラ、ガメラはカメ、モスラはモス=moth(蛾)。で、ネズラは…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 日課のようにレンタル屋の色々な棚を見て回っている内に特撮の棚に行き着き、見たことのないパッケージに目を留めた。

 「ね、ネズラ?なんだこれは?」(心の声)

 少々胡散臭げなタイトル…しかし、同時に怪獣映画好きにはたまらない響きを持つ。

 大体日本の怪獣というのは“〜ラ”と付くのが多い。これはゴジラの影響が強いが、その内のいくつかは何らかの動物の名前に“ラ”を付けるパターンがある…そうなるとネズラというと、もう分かりすぎるほど単純だ。

 敢えてこんなタイトルを付けるその度胸を買った。すぐさまレンタルへ。

 そして拝見。

 オープニングが効いた。

 なんだ?この素人っぽいカメラは?なんだ?この素人丸出しの役者の演技は?これはもう、最初っから「外れ」を前提としたとしか思えない作品だ。わくわくする気持ちを抑えることが出来ない(笑)。

 …全体的に見ると、この映画、確かに外れではある。悪いところは数え切れないほど多い。先ず主人公格以外のキャラの素人丸出しの演技。カメラワークの悪さ。ネズミをベースとした肝心な怪物が殆ど動かない(本来重要なはずのネズミの特性を全て捨てて単なる怪力の人間になってしまってる)。スケールの小ささ等々…

 しかし、意外とも言えることなのだが、決して脚本は悪くない。いや、結構ストーリー展開はきちんとしてる。他のキャラが悪い分、主人公格の数人のキャラはしっかり立っていた。

 怪物を前にした人間の反応と言い、主要キャラクターの立たせ具合と言い、内面描写まで含めた人間のあり方と言い、ちゃんと人間の成長まで描いてるところが凄い。ラストシーンはベタだったけど、結構見せてくれる。

 演出部分に目を瞑りさえすれば、これは実は結構拾いものだったかも。かなり楽しめた作品だった。映画で最も大切なのは、結局の話物語なのだ。と言う当たり前の事を再認識させられた気分。

 こういうものに時々ぶち当たるから怪獣映画って好きだな(点数は低いけど、それなりに評価してるよ)。

(評価:★2)

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