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[コメント] 銭形平次捕物控 恋文道中(1951/日)

アチャコのガラッパチも味があっていいですね。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 テレビのチャンバラものの場合、セットの都合や、毎回毎回起こる事件を演出するため自然主人公は江戸に居っぱなしになることが多いが(勿論『水戸黄門』という例外はあるが、あれのお陰で余計他の作品に旅が無くなってしまった)、映画の場合むしろ旅を主体にした作品がかなり多く、特に50年代のチャンバラものではこういった旅を題材とした作品がとかく作られている。これらを総称し、股旅ものと言われるが、このフォーマットに則って作られることが多い。

 このフォーマットは主に単なる旅ではなく、主人公を含め腹に一物持った登場人物たちが旅の間に虎視眈々とお互いを狙い合うというものが多く、風光明媚さと、裏腹の緊張感が主眼だろう。それを陰惨に描くか、軽快に描くか、あるいはコミカルに描くかは作品毎に異なるが、大体はフォーマットは定まっている。

 本作は見事にそのフォーマットに則った作品。銭形平次のシリーズは結構内容は重いものの、決して雰囲気を重くしないように注意が払われているし、シリーズでは数少ない股旅ものである本作もその辺はそつなく作られている。

 このシリーズのもう一つの楽しみは様々な役者が演じる八五郎(最も多いのが堺駿二だが、数多くのコメディアンが演じてる)だが、ここでは花菱アチャコ。これがまた上手くはまっており、そのドジっぷりが作品を軽快に保たせた原動力となっていた。

(評価:★3)

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