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[コメント] ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(2007/英=米)

話は観てる側を置いてけぼりにしてますが、豪華キャラクタ競演は一見の価値あり。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 シリーズももう5作目になり、話は更に厳しいものへと変化してきた。既に“闇の魔王”ヴォルデモートは復活していて、後はこれとどう戦っていくかがこれからの焦点へとなっていく。その分これまであったお祭り的な成長物語はかなりなりを潜め、純粋なアクション大作っぽく仕上げられている。

 ところでこのハリー・ポッター・シリーズは映画化に当たって一作ごとに特徴的な作り方をしているのも面白い。1作目『賢者の石』(2001)と2作目『秘密の部屋』(2002)は見事に原作のエピソードを過不足無く取り込んだ上でしっかり後半に見せ場を作り、一方3作目『アズカバンの囚人』(2004)と4作目『炎のゴブレット』(2005)はエピソードをピックアップし、余計なものをそぎ取って作っていた。

 しかるに本作は、又前に戻り、原作の大部分を取り込んで作っているのが特徴。ただ、原作がどんどん長くなってしまっているため、この作り方だとエピソード一つ一つがどうしても軽くなってしまうし、キャラクタの掘り下げが不十分になってしまう。上映時間自身も長いが、それでも到底足りない。

 それで観ていてなんか原作を追っているような印象になってしまうし、キャラクタの掘り下げも不充分な上に、あっけなく退場してしまう。あの長さを映像化するのは難しかったんだろうし作り手の努力は認めるが、割と退屈してしまった所があったのは否めない。一つ一つの物語が必要だというのが作りにくさの最大の問題だったかと思う。

 ただ、キャラクタの造形は甘いとはいえ、蒼々たるメンバーを惜しげもなく使っているのは流石だし、それぞれが短いながら個性を出そうと頑張っているのは印象的。特に1作目から続いて主役を演じている三人組の成長具合を観てるだけでも結構楽しい。

 原作知らない人間にはますます訳の分からない世界になってるが、原作を読んでる人には文句なしにお勧めできる。

(評価:★3)

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