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[コメント] フィフス・エレメント(1997/米=仏)

これこそオタク冥利。ベッソンはこれで満足しきってしまったのでは?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 派手なビジュアルと“あのベッソン監督が作ったSF”という事で有名になった作品で、設定とか物語とかかなり荒唐無稽なもので、オリジナリティも無いという、まるで中学生が想像したSFみたいな作品。正直これを劇場で観て唖然としたものだが、むしろこんなものを大まじめに、これだけの人物と巨費をかけて作ってしまえたベッソンという人物が強烈に羨ましくなった。そりゃ勿論この映画を作る前に先行して三つの大ヒット作を作った人だからこそ出来た芸当なのだが、ベッソンは有名になったことを最大限に活かすことが出来た監督なのだろう。本作という夢を果たしたことによって、後は監督としてのモチベーションが下がってしまったんじゃなかろうか?文句を言うよりも一言「羨ましい」と言いたくなる作品である。

 内容、設定共々カスみたいなもので、これと言って言うべきところがないし、本作を通して何事かの主張をしたいという部分も感じられないが、とにかく派手でビジュアルに凝った映像は今にしてもやはり凄いものだし、ただこれを観るだけでも映画館に行って良かったと思えた作品でもある。

 キャラはアメリカ人俳優を中心に、旬の人達を集めてみました。みたいな感じだが、その中でも突出していたのが脇役のタッカーだったりする。これが馬鹿げた作品だから。と言うことでお馬鹿に徹したのが功を奏したのかも知れない。後は基本的に真面目に演じようとしている分、痛々しい感じ。

 ビジュアルは画面エフェクトだけではなく、ゴルティエがデザインしたという数々の服飾デザインも面白い。本物のデザイナーだからこそ出来るぶっ飛んだセンスを楽しめる人には是非お勧めしたい。

(評価:★3)

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