コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] レッズ(1981/米)

いるぞいるぞ。プチ・ジョン=リードが日本にはたくさん。そんな奴らとつきあわなければならない自分を憐れみたくなってきた。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 これは実話を元にしてつくられたもの。ジャーナリストには政治的な態度をリベラルに保つ人が多いけど、ジョン=リードという人物はその中でもこれは極めつけの人物だ。

 リベラリストというか、反体制派の人って結構知り合いが多いのだが(環境保護を声高に言う人とか、原発反対でピケを張る人、戦争反対で大使館前で座り込みをする奴…こういった知り合いには事欠かない)、こういった人たちに共通するものは、彼らは秩序を好まない(秩序と言う言葉自体が保守的なものと捉えられるんだし)割りに凄い議論好きで、酒を酌み交わしながら延々同じ話題を話してたりする。それに生活態度がとてもだらしないと言うのも共通している。相手の事などまるで無視するかのように傍若無人なしゃべり方をするし(一般生活をしていても、酒が入るとそう言う人もいる事が分かるけど、彼らの場合、常に反抗していないと気が済まないようで、個人攻撃や文句ばかり言ってる。環境問題を真剣に語っていながら人前で平気で煙草を吹かす…彼らには嫌な思いを散々させられてるから、ちょっと私怨が入っている)。

 新聞記者なんてものは、その最たる者だろう。記事を書くに当たり、なるだけ自分自身をリベラルな立場に置いておく必要があるし、その自由のためには戦う位の心構えが必要だ。それによって彼の記事を読む者は、その生き方に感心できる。

 だけど一方では、彼の近くに住む者はどうかというと、苦労の連続を強いられることになる…

 リベラルであり続けると言うことは、家庭内も安定は無視される。その生活には昼も夜もなければ、どこだって仕事場になり、又宴会の場になる(人間関係を円滑にするためにどうしても必要なもので、保守的な人の場合、これは公式な形できっちり行われるのを好む傾向にあるけど、むしろこういった人は家の中で歓談する方を好む)。

 なんかこれ観ているうちに、知り合いの家庭のことが思い出されてしまっていたたまれなくなった。

 アメリカで正面切ってロシア革命を描いた映画は(って言うより、西側世界においては)これが初めてだが、映画本体は主張と言うよりはむしろ“格好良い男”を描こうと言う意識に溢れているようで、まさにナルシストを地でいく(それに女にだらしない)ウォーレン=ベイティにはうってつけ。

 だけど、ストーリーはとても退屈なんだよなあ。本当に眠くなってくる。前衛劇作家オニールを演じるニコルソンが自分を抑えて好演しているけど、評価できるのはその位か?ダイアン=レインとベイティによるメロドラマ風の演出はどうも苦手。

 アカデミー好みの作品だとは思うんだけど、何から何まで私の好みから外れていた事が致命的か。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。