コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 素直な悪女(1956/仏)

デビュー作の本作からしてヴァディム監督は本当に女性を魅力的に撮ることの巧さを知らしめてくれました。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 妻のバルドーを主演としたヴァディムの第一回監督作。

 一人の女性が“本当の幸せ”を見つけるまでの過程を描いた作品で、はっきり言って物語は実に単純。ただ、本作には最高の強味がある。要はただ一人“BB”バルドーの存在感である。

 今の目で観る限りはお色気シーンは可愛いものだが、それでもバルドーの魅力ってのはよく分かる。フランス映画らしい明るすぎる画面の中、溌剌としたバルドーの裸身が踊る。これだけでもう充分!考えてみると、本当に魅力的な女性であれば、直接的な行為は必要がないのだ。ただそこに映っているだけで、観てる側の妄想を逞しくさせる。その魅力が確かにあるのだ。

 事実、ここでのバルドーは若さいっぱいって感じで、窮屈な社会的な枷の中、そこにぶつかっていき、様々な圧迫を若さだけで跳ね返していく。一方、“落ち着いた幸せ”ってものをもやっぱり欲しがっており、結局オチはちゃんとそちらの方に落ち着いていく。

 その魅力はあるけど、バルドーはちょっと私の好みからは外れてるし、話そのものが当たり前すぎるため、評価はそう高くならないんだけど、ヴァディム監督の目の確かさと演出方法の巧さは認めよう。

 尚、本作撮影直後にヴァディム監督とバルドーは離婚してしまい、バルドーはトランティニャンと同棲生活にはいってしまったとのこと。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。