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[コメント] 野良猫ロック 暴走集団’71(1971/日)

面白いと言うつもりはないけど、特に今になってだと、観る価値は充分にある作品とは言える。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 短いスパンで一気に作られた野良猫ロックシリーズ最終作。

 本シリーズはどれも70年代の若者を描くという一点で共通しているのだが、最終作である本作が一番過激に学生運動を描いてみせた。物語そのものはつまらないものだったが、何せ若さの象徴として、原田芳雄、梶芽衣子、藤竜也と言った面々がやりたい放題やってるのだから、今観たらそれだけで感涙ものだ。

 そして一応本作は学生運動をテーマにしてはいるものの、最も重要なのは、その本質を最も良く突いているという点であろう。学生運動とは主義主張ではない。この世界そのものに対する反逆であり、大人になることを拒否することなのだから。だから本作は学生運動を肯定はしてない。ただ、若さの暴走としてだけ描いている。

 それを下らないとは一切言わず、さりとて肯定もせずエンターテインメントして仕上げようとしたところは、さすがは藤田監督と言ったところか。

(評価:★3)

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