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[コメント] ザ・コア(2003/米=英)

とにかくまあ、私にとって貴重な「馬鹿映画」が一つ増えたのは嬉しいところ。電波入りで書かせていただきます。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 地球の地磁気そのものが無くなり、それを防ぐために科学者達が地下に潜ってコアを再び動かそうと言うド派手な演出を持つ作品。そのインタビュー記事などで、これが科学的に根拠のある話だ。と言うことを強調していた…のだが、予告とインタビュー記事見ただけで、どれほど科学的に無茶苦茶なのか分かってしまった。

 一応科学的に無茶苦茶って言っても、コアの停止とか、地磁気が乱れたからどうなったかとか、そう言う類についてはまるで門外漢なので突っ込むことは出来ないのだが、画面については色々言えるぞ。

 久々に徹底的にやらせてもらおう。

 前半から中盤にかけてはスペースシャトルの大気圏突入くらいが派手な部分だけど、シャトルの落下に気付かないお間抜けな人間を登場させて笑わせようとしているのが外してると言った程度。これはまだ良し。

 しかしこれが中盤に至るとすさまじいものが出てくる。

 地中の重力に耐えるだけの装甲を持つ地底船が登場する。この時点で無茶苦茶ではあるが、まあこれは良しとしよう。しかしなんでレーザーだけなんだ。ドリルを出さんかい、ドリルを!

 ただこれが潜っていく地中の様子が凄い。地中深く潜れば潜るほど当然圧力は増す。つまりどういう事かというと、穴を掘ってもあっという間に圧力で船の後ろの部分は埋まっていかねばならんのだ。この映画では停止を余儀なくされる場面が結構出てくるが、何故か穴は開いたままふさがる様子が全くなし。

 地中で空洞を発見。その際に船外活動をするわけだが、空気があるから圧力が無い訳じゃない。むしろ地中深くに空洞があるというのなら、もの凄い高圧力になってるはず。人間が船外活動なんかしたら、あっという間にぺちゃんこだ。大体この船に外に出る機能が付いてる時点で、地中に潜ってたら壊れてるよ。

 それにマントルは液体状と言われてるが、これは実は液体じゃないんだな。高温と高圧のため、ゆっくりゆっくりと動く高粘着の固体に近いものとなってるはず。この描写だと、殆ど低粘度の水のような液体となってる。

 何より不思議なのは、どうやって船と地上が交信してるかと言う点。当然ながら有線は使えない。岩盤が存在する以上光通信も不可能。無線と言うことになるだろうが、あれだけの岩盤を通じて通信が出来ると言うことは、極短波か?いや、極短波では岩盤と海を突き抜けて通信はほぼ無理だ。仮に出来たとしても、殆ど声なんか雑音で聞き取れないレベルになってるはず。ニュートリノでも使ってるのか?ニュートリノは全てを突き抜けるからこそ、ニュートリノであり得る。それを用いて通信をするんだったら、それこそ説明してほしいもんだよ。

 いくら「科学的な考証に基づいて」いたとしても、こんな基本的な部分を全部無視しておいて、科学が聞いて呆れるわ。

 で、ドラマで見るべきか…見るべき部分が全てどこかの映画のパクリか、あるいは単に受けを狙ってるだけなんだが…エッカートはともかく、スワンクは持ってるオスカー像が泣くぞ。 

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)tkcrows[*] アルシュ[*]

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