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[コメント] 天然コケッコー(2007/日)

ある意味、SF。
ぐるぐる

原作マンガでは、くらもちふさこの成熟した筆致でひとりひとり丁寧に描かれている登場人物たちが、この映画では主人公にスポットを当てた作りになっていて、物語としての広がりや面白みは薄れているかもしれない。

その分、五感を通じて(といっても、映画だから味覚も嗅覚も触覚もないけど)カラダにしみ込んでくる空気感が、印象に残る。この原作を映画化する上での戦術として狙いは良いと思うし、夏帆がそこに上手くハマって成功している。

この「行動ではなく感受性の物語」のための装置として、村はまるで宇宙空間を旅するロケットの中の世界で、修学旅行で行く都会は別の惑星のようだと感じる。

この設定に、日常的な「リアリティ」を求めるのは勘違いというもので、ただただ感受性の瑞々しさを味わう佳作。

(評価:★4)

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