[コメント] エターナル・サンシャイン(2004/米)
突飛な設定に惑わされてはいけない。恋愛映画としては、ある意味王道。断片的な記憶を追う詩情溢れる映像は「男と女」の直系とも感じる。エキセントリックになり過ぎないケイト・ウィンスレットの演技も良い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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音声トラックがとりわけ素晴らしく、二人のダイアローグと繊細な背景音の扱い、控えめな音楽は、それだけでまるでラジオドラマのような濃密な世界を作っている。
ミシェル・ゴンドリーの演出の濃やかさも魅力的で、片側だけセーターから飛び出したシャツの襟、背景に小さく流れるインド・ポップス、などなど、恋愛もディテールに宿るのだろうか。
チャーリー・カウフマンの脚本は見事ながら、所詮「男の妄想」でしかないところに限界がある気もするしご都合主義の原因でもある。モントークでの再会を誓ったのは脳内妄想のクレムではないか?
ラストは明らかに弱く、すべてが露見してこの異常な事態に直面したにしては、二人の反応はいくらなんでも平凡すぎる。プレタイトルのシーンに20分もかけたのに、ここが6〜7分しかないというのも解せない。あまり引っ張らずに畳み掛けるように終わらせたかったのかもしれないけど、やはり失敗だと思う。本来ならこれじゃあ★ひとつマイナスなんだけど、どうもついケイト・ウィンスレット には甘くなってしまう体質なので、彼女の最後の台詞と演技だけで減点は帳消しにしちゃいましたが。
しかし、日本の映画好きからすると、「いとしのクレメンタイン」といえばジョン・フォードの『荒野の決闘』と相場が決まってるようなもので、実はそこが一番違和感があったかも。何だよ「珍犬ハックル」って、知らないよ〜。
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