樹木希林が死んだシーン。 やっすいテレビ映画ならあのシーンで相当時間をかけるけど是枝裕和は樹木希林の遺体をまともに写そうとしない。 とても勇気のいる選択だったと思うけどそれを強行したところがすごい。

尋問シーンはワンショットのカットバック。 明らかに他のシーンと比べて浮いている。 万引き家族（見えない人々）と刑事（世間）。理解し合えることのない両者を同じフレームに入れることを嫌ったか。

事前情報から思っていたほど万引きに依存していない家族だった。 まぁあくまで万引き行為自体はフックで家族という関係性を盗んだということが主題なのでどうでもいいけど。

安藤サクラの女泣き。 事前情報でカンヌが絶賛した女泣きと聞かされてどんなにすごい号泣かと思ったら、そこいらに転がっているごく普通の女泣きだった。 でもその当たり前の普通を映画の中でできたからきっと最高賞なのかと。