私の中で「何故、皆こんなに褒めるんだ!?」という釈然としない気持ちが渦巻いています。私は観た後、ほとんど何も残りませんでした。何が残ったといえば、千尋とハクの恋物語とサブキャラの可愛さです。

現代っこ的な設定の千尋が、あまりに簡単に湯屋に馴染んでしまったのが、一番釈然としませんでした。気付いたら、千尋が突然良い子になっていて戸惑いまくりました(汗)。以前までの宮崎監督の作品なら、観た後に考え直して、また更に感慨深くなったりして、じわっとくるものがあるのですが、こないんです。じわっとこなかったんです。場面的にいいところは思い出されるのですが、話でよかったところが思い出されてこないんです。何ででしょうか?私の理解力の乏しさを言ってしまえば簡単ですが…。

リアリティーでしょうか?何となく、私の中のリアリティーと作品のリアリティーが一致しなかったみたいなところもあります。監督が確か、10歳の子供に観てほしい的な事を言っていたと思うのですが、そこで私は、千尋の外見もあり、さぞかしリアリティーな10歳の女の子が出てくると思ったのです。私の知っている10歳ぐらいの女の子と言うと、もっと我儘で、こまっしゃくれてるところがあって、これは作品中と一緒ですが、挨拶を知らない(特に「ごめんなさい」)。勿論、それぞれとは思いますが、千尋って最初から意外と聞き分けのいい良い子な気がしました。だから、上でも言ったように千尋の「生きる力」の目覚めには少々抵抗がありました。

そんな納得しない中、色んなことが更に山のよう押し寄せてきて、本当に??でした。あまりに色んなことを詰め込みすぎた結果、すべてが半端なまま終わってしまったような感じが拭えませんでした。含みすぎです。

でも、以前のコメントやレビューに書いたように、映像や懐かしげな音楽はとても良かったです。さすが、宮崎監督&久石先生!といった感じです。でも、正直それだけでした。同時期に観た『メトロポリス』の方がよっぽど心に残っています。宮崎アニメに比べたら全然出来は悪いんですけど、“愛しい”んですね、私の中で(笑)。

皆様褒めてる中で、こんなこと書くと、「コイツ分かってないなあ」と思われるかもしれませんが、その通り、本当に分かりませんでした(苦笑)。きっと、何度観ても分かることはないだろうと思います(また観ますが)。でも、それでいいです。

やっぱ、もののけが一番かな…。非難轟々ですけど(泣)