佐々木蔵之介が・・・ダメです（ファンの方、すみません）

一言で言えば、「狂気」が感じられないんです。 普通です。ふつうのひと。 闇の世界に通じた探偵に見えないです。 ネタ明かしのあとも、「なんだ、こいつがだまされていたんだ。マヌケだねえ」と 思えないんですね。最初からヘボっぽく、凄みもないし。

途中、佐々木が大泉洋に「お前に人間の何が分かるんだよ」みたいな台詞があって、 それが彼の口から出ると、どうにも上っ面だけに聞こえて仕方ありませんでした。 まあ、大泉を怒らせて、早く帰らせたいために言った言葉なのかもしれませんが。

台詞とかに出てこなくても、「この人、今まで３人くらい殺してるな」的雰囲気が あるとよかったのですが。 まあ、それが、「この人、今まで３人くらい殺しているな・・それも笑いながら」になると、松田優作みたいになって、なおいいのですけど。

こうしたことも含めて、全体的に「どんでん返し」が人間の本質というか、根源的な部分に関わるものであれば、多少観方が違ったかもしれません。 「実は警察に協力していた」とか「実は夫婦ではありませんでした」とか・・ 「ああ、そうなの」としか思えませんでした。

エンターテインメント映画なんだから、いいじゃないかとも思ったりもしますけど、 エンターテインメントだから、軽くていいとは限りません・・多分。

もし軽くして、後味爽やかにしたいのであれば、先ほどの佐々木のセリフも、 大泉の「つまらないのはお前のせいだ」のくだりも要らないです。 「踊る大なんとか」みたいに思えてしまいました。