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[コメント] クンドゥン(1997/米)

'08年4月のラサ暴動・・・今回に限らず、中国の発言・主張は全て「正反対」が事実であり、息を吐くのと同様に嘘をつく。
アルシュ

チベット人民の苦しみの100分の1も描き切れていない。中国の中華思想を舐めているとやがて日本も痛い目に遭う日がやって来る。

何故中国がチベットを侵略したのか?この辺が明確に語られていない。中国には領土拡張の野心があり、このチベットも内モンゴルも、過去に「元」と「清」の時代にその一部だったから、「今も中国の一部だ」という詭弁なのだ。ゆえに「沖縄も中国の一部だ」という主張もしているという。

また、チベットに対してどんな残虐な行為をしたかもさして描かれてなく、せいぜい子供に肉親を射殺せよと命ぜられたシーンと、ダライ・ラマの夢に出てくる一面の高僧の屍程度である。

現実にどのような出来事があったかというと、

まず、中共軍侵攻に対するチベット軍の8千人は壊滅。

道路建設への強制労働では数千人が死亡。

「餓死」という言葉の無い国なのに、食糧危機で餓死者続出。

ラサ決起による中国解放軍へのゲリラ戦に対して、宮殿を破壊し数万人の民衆が殺害される。

更にはインドに向かう難民の多くは中国解放軍に捕まり、強姦や殺害され、また逃れた者もその多くは凍死・餓死する。

中共は「民主革命」によって富裕層を処刑。

人口の5人に1人が僧侶と言われるチベットに対し「その宗教を捨てよ」と、むち打ち・はりつけ・生きながら焼かれ・生きたまま解剖・目に釘を打たれ・首を絞める重りに仏像が使用された。また、高僧はその権威を失墜させるために、糞を食べたり尿を飲むなどされ、民衆はそれを見ることを強要された。

結果、4400あった寺は99%が破壊され、15万人いた僧侶はわずか1400人程度。中国はチベット人の抹殺を図るべく「民族浄化」を進行させ、中国による虐殺・餓死者は128万人にのぼる。

また、中国人の囚人を中心とした移住も進められ、現在ではチベット人600万人に対し、中国人は750万人と人口は逆転している。

こういった行いに対しても、亡命しているダライ・ラマは「中国人を憎んではいけない」と暴力による抵抗を拒んでいる。

ダライ・ラマのこの思想は映画の中で貫かれている。でも、反戦って言葉は綺麗で理想かもしれないけど、中国のような中華思想(中国は世界の中心で、世界を支配する権利がある)を持った国には通用しない。日本はアメリカに守られているが、将来領土的野心のある中国は台湾、沖縄、そして環境破壊で砂漠化が進んでいるゆえに移住の地を求めて、日本本土を狙ってきても不思議はない。けっして他人事ではない事がチベットで起きているわけで、その現実を私たちはもっと悟るべきです。

チベットへの侵略を描いた映画の目的はいずれも、国際社会の同問題への注目をさせる事にある。オリバー・ストーン監督も同様だったはずですが、この映画には中国の非道さにインパクトが無く、見た者が心を動かす材料にはならない。

(評価:★2)

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