[コメント] アキレスと亀(2008/日)
「売れない画家の自画像なんて誰が買うか」という台詞を裏返すと、この映画を見ている我々は「売れてる監督の自伝的作品だから見た」ということになる
のだろうか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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真知寿が模倣した作家を羅列してみると、ピカソ、モンドリアン、ウォーホル、リキテンシュタイン、クレー、カンディンスキー、ポロック、ダリ、バスキア、最後のコーラ缶はデュシャン?白衣姿は赤瀬川源平の路上パフォーマンスっぽい。
という感じだが、最後に到達したのがゴッホだというのは見逃せない。
ゴッホの絵は生前たった1枚しか売れなかったようで、しかも買ったのは知り合いの娘さんだというから本当の意味で"売れた"とは言えなかった。 真知寿も結局1枚しか売れなかったわけで、ひまわりが明らかにするように、包帯姿の真知寿はまさにゴッホの「包帯をした自画像」であろう。 しかし何十年も試行錯誤した絵が売れなくて、初めて売り込んだ作品が唯一売れた作品だというのは北野らしいブラックジョークだし、 あの大袈裟な包帯姿も北野らしいアレンジで笑ってしまう。 そういえばひまわりの絵は焼けてしまったのだろうか。その肝心の絵を見せない演出もまた心憎い。
というわけで北野はゴッホに自分を重ね合わせるほど特別な存在として見なしているようだが、 そういえば北野が敬愛する黒澤監督も『夢』の一遍でゴッホを描いていたっけ。 3819695さんご指摘の『素晴らしき休日』には気がつかなかったが、これは黒澤監督へのオマージュ作品とも取れるかもしれない。
ところで、父親の首吊りは中尾巻きだっただろうか。なんか凄い気になるんだけどw
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