コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 悪魔の手毬唄(1977/日)

横溝正史の特徴であり映画化するに際しての最大の弱点でもあろう複雑に絡まる多数の登場人物名を台詞で説明するもどかしさ。「映画」としての破綻が目前に迫る中、市川崑はスリム化を狙い、上手にまとめあげた。実に巧いと思う。
sawa:38

冒頭の金田一と庄屋が湯船に浸かるシーン。時折岸惠子の三味線の音が挿入され、続いて岸惠子の短い映像も挿入される。

市川崑の計算された演出だ。これによって映画はリズム感を得、観客の脳内は「次へ、次へ」と欲求が高まる。

「犯人探し」という本筋から言えば、このインサートショットは邪道な演出だろうが、市川崑は構わず、「映画」としてのリズム感を優先させる。

私はこのリズム感がたまらなく好きだ。実に巧いと思う。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (4 人)寒山拾得[*] 動物園のクマ uyo[*] けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。