[コメント] 亡国のイージス(2005/日)
『ローレライ』でもそうであったが、この原作者の共通の想いとは、「日本という国家は一度破壊し、新たな意思でもってして再生させねばならない。」ってことなんだと思う。
自虐的なストレスが溜まりに溜まった結果としてのリセットボタン待望論だ。
中国や韓国でどれだけ反日運動が扇動されても、日本人はけっして彼らの国旗を焼いたり唾を吐きかけたりはしない。去勢された日本人はけっして行動には出ない。
TVのワイドショーは深刻ぶった表情でその暴動を繰り返し放送し、冷静なコメンテーター達は努めて冷静な常識論で批判をするが、報復を煽ったりするような事は絶対に言わない。そう、日本人は去勢された大人しい民族であり、大人で成熟した国家なのだと言わんばかりだ。
そう、そんな日本人に落胆した人々の究極の選択が首都破壊の後の再生・リセットボタンであろう。
ただこの原作者が両作品で高らかに謳い上げるその思想は、ストレートなあまり薄っぺらく説得力を持ち得ない。
原作者が国家を憂う気持ちは理解できる。しかし、そんな心配も杞憂に過ぎなくなってきている。日本人は確実に民族運動に目覚めてしまった。現在はそのほんの初期であろう。中国のミサイルが日本に照準を合わせている事を知ったし、韓国は北と友達である事も知った。
もうかつてのように隣国に土下座外交をする政治家も排除されつつある。日本人がプライドを再び手にしようとしつつある現在、こんな作品は時代遅れになりつつある。急速に醸成されつつあるナショナリズムが、この過激な題材をすら時代遅れにしているのである。
自衛隊が怪獣以外に銃を向けるような題材に広報の為とはいえ、自衛隊が全面協力するような時代である。
怖い、怖い・・・
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