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[コメント] タンポポ(1985/日)

なんと不味そうなラーメンか。
sawa:38

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「食」というキーワードだけの繋がりで複数の小エピソードが羅列される。それらは決して交わる事もなく独立したままラストまで突き進む。

一本の映画として、この作り方は決定的に不味い。ま、そんな事は大監督たるもの十分承知の上のことだろう。

それでも、あえてこうした作りに徹したのは、ラーメンでいえばそれぞれの具材にこだわったからなのだろうか?

劇中で山崎努が言っていた。「ラーメンの具材は二種類だけでいいんだ。」と。

しかし伊丹十三監督が用意した具材はてんこ盛りだった。肝心の麺が隠れて見えない程の具材で一杯だった。

「食」に対しての監督のあれやこれやの熱い思いを映像化すれば、こういう小話の羅列にするしか方法はなかったのだろうと、ちょっと同情までしてしまう。

それぞれの小話はそれなりに面白いのだが、一杯のラーメン(一本の映画)としてみた場合、それはベストな選択だったのだろうか?

時折、グルメ番組で奇怪なラーメンを目にする事がある。豪華な蟹やらイクラやらの具材で彩られた豪華ラーメン。・・・・ひどく不味そうである。

ラストで母乳を写し続け、「食」に対する究極的な持論をシニカルに演出してみせたつもりらいしいが、・・・いまさらなぁ・・・

麺とスープ(ラーメン屋の中心エピソード)だけのガチンコ勝負で良かったのではないでしょうか?

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう[*] tkcrows[*]

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