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[コメント] 八月の狂詩曲(1991/日)

祖母、親、孫、3世代の描写に現代の行き詰まりを感じる。ラストは前向きと解釈してよろしいのでしょうか?
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







中盤まで4人組の子供とおばあちゃんの織りなす雰囲気は、NHK教育の子供向けの教養番組を観ているようで教育染みており、長崎に訪れたことがある私にとっては冗長に感じた。本作は、外国人、もしくは子供に向けて作った作品なんだろうと思った。

途中から親の世代を登場させることで、現代の浅ましさを描いているのだろうが、黒澤監督にとって、今の世がかように打算的で卑屈に写ったのかと思うと心情は複雑。リチャード・ギアを除いて、本作の親の世代は良いとこなしで、我々へのメッセージにしては極端すぎるように思えた。

のんびりした雰囲気の中で、最後のシーン(おばあちゃんを追いかけるシーン)は、全く予想していなかっただけに驚いた。過去(ピカ)に向かって走るおばあちゃんと、そのおばあちゃんを追う孫と親は、全ての世代が過去に引きずられていることを意味しているのかな? と考えることはちょっと寂しい・・・ ので、

傘をひっくり返してもなお走るお年寄りの元気をこれからの世代に!という前向きなラストと解釈することにします。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ぽんしゅう[*] 山本美容室[*] ina

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