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[コメント] アイランド(2005/米)

キャストに恵まれているので画に力がある。その中でもジャイモン・ハンスーは特にいい。これだけのメンバーでもその存在感は別格。ストーリー的にもあの作品の意味を理解できて思わぬ拾い物って感じです。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







以下、1970年代のジョージ・ルーカス監督の作品のネタばれですのでご注意を。

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白い服装にコードネームに隔離空間。健康管理システムに男女の接触厳禁。ここまで来ると『THX−1138』のリメイクか? と思えるほど初期設定が似ている。構成も明らかに「THX−1138」を意識している。「THX−1138」でこそ作品中でクローンとの関わりは触れられていないが、1971年製作の当作でルーカス監督の示唆していたことが人間による「クローンの管理体制」だったとすると実に頷ける。

何故なら、「THX−1138」で描かれた空間の閉塞感と人格を無視した管理体制はあまりに非人間的な不可思議さがあったし、「THX」では内臓が抜き取られた遺体も出てくるし(THXが深く関わった彼女(LUH)の遺体も使用済みバッグに入れられていた)、ルーカス監督がSWシリーズの構想当初からクローンに注目していたのは周知の事実だから。

彼らの従事した仕事が「THX−1138」では彼らを管理するロボットの製作であったのを、本作(アイランド)では新たなるクローンの育成とした、など異なる点もあるが、それは同じテーマへのアプローチの違いに過ぎない。ルーカス監督がクローンを明示しなかったのは時代性を配慮してのことだろう。

本作(アイランド)が「THX−1138」の解釈だったと言う目で見ると、元ネタほど難解でもないし、古びれてもおらず、娯楽大作として良く出来た映画だと思うし、今までどうも引っかかっていた「THX−1138」に込められた意味を理解できてかなりうれしい。

(評価:★4)

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