[コメント] 砂の器(1974/日)
あえて言う。
かわいそうな身の上話の域を出ないのではないか?
必然性が欠けている。刑事が犯人を追う執念、犯人が人を殺さねばならない動機、父親が死出の旅に出なければならなかった歴史的背景。いちいち腑に落ちない。
より厳密に言うと、必然性は筋書きの整合性ではない。つまり、すぐれた映画のばあい、観客は筋書きが破綻していてもなんとなく納得するものなのだが、それがないのだ。
かわいそうな身の上話の社会的意義を否定するわけではないが、僕は映画に、それ以上のものを求めたい。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (6 人) | [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。