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[コメント] KANO 1931海の向こうの甲子園(2014/台湾)

前半、特訓と結果との因果関係があまり描かれていないので、なんとなく鍛えられて、唐突にチームが強くなってしまう事への違和感あり。試合は白熱して非常に面白いのに、フワッとした前半が良作止まり感を助長。しかし3時間の長尺を飽きさせないのは見事。
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特訓でスライダーやシンカーへの打撃対応が描かれ、甲子園でも錠者投手がスライダーを駆使するなどしていたが、あの時代、中学(高校)球児がそれらの球種を操ることに疑問を抱いた。

スライダーは、1920年代に活躍したメジャー投手、ジョージ・ウールが”スライダー”と命名し、”火の玉投手”ことボブ・フェラーが武器として活用する事によって、1940年代に人気となった球種。

日本では、二次大戦後、巨人の藤本英雄投手が”ウーやん”こと宇野光男捕手とのキャッチボールの中で編み出し、後にメジャーリーグで”スライダー”と呼ばれている事を知って、自分の投球の中に取り入れたのが最初期と言われているので、嘉農が活躍した1930年代では、まだ中学(高校)野球では導入されていなかったと考えるのが自然と思われる。

いわんやシンカーなどは影も形もないはずで、当時の中学生が投げていた変化球と言えば、カーブ及びその派生だったと考えられるので、そこのところの時代考証はもうちょっとしっかりして欲しかったというのが正直なところ。

(評価:★4)

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