作品のテーマである「世紀末に悪魔と人間の女が契る」はおぞましくもエロティックな匂いがプンプンだから、もっとゴシックホラーが撮れる人が監督なら、案外イイ線いってたかもしれない。その前に企画段階で「シュワのアクション映画」として立ち上がってたのだろうから、最初からそのつもりは無くて「アクション＋α」として世紀末ホラーにしただけだろうけど…。

　それにしても劇中でエロスの匂いを感じさせたのは、サタン役のガブリエル・バーン一人だけなのがツライ。健康的なスポーツ少女とフェロモン無縁の筋肉男と対峙して、一人だけエロ悪魔を演じるのって恥ずかしいよね。オイシイかったけど。

　他のレイプを扱った映画でさんざん辛辣なコメントを書いておいて矛盾するようだけど、このテーマなら絶対ヒロインは悩ましげな美女か、大昔のジェニファー・コネリーのような性におののく美少女にして欲しかった。スポーツにしか興味のなさそうな健康的なヒロインが、どうしても悪魔に犯されるシーンなど想像できないので安心して観てしまった。彼女のために大勢の人が犠牲になる展開に、どうも説得力を持たない娘だった（ごめんね、ロビン・タニー）。

　あと思ったのは、悪魔レイプ対策に貞操帯が効かないのは判るけど、ピルを飲むのはダメなのかな？ピルについての認識が薄いので、１日前に飲むだけで効くのかどうか判らないけど、とにかく万一契られても子供を宿さなきゃいいんじゃないかな…と思うんだけど。