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[コメント] 恋におちたシェイクスピア(1998/英=米)

下品な味付けが生理的に合わなかったようです。薄すぎ顔グウィネスに濃すぎ顔のジョセフのカップルも似合わない…。設定に必然性を感じないのも難点。
mize

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 観ていて何度も「なるほど、そうだったのか!」と言いそうになって「あ、これフィクションだっけ」と何度もシラける…の繰り返しでした。もしこれが完全に実話なら★2,3ぐらいだったんだけど…。どうして21世紀を迎えようという若い脚本家が、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」誕生秘話をフィクションで描こうと思ったのかが判らなかった。同じフィクション混じりでも『アマデウス』は天才と凡人に関する永遠不変の心理を残酷なまでに描ききっていたのに、これは「ロミジュリ」に関するホラ話の域を出ていない気がする。

 恋愛描写についても、妻がいる事を隠していた彼に憤激していたヒロインが、彼が死んだと思ったら生きていたというだけで許してしまっているし、一度寝たら後はお猿のように毎晩やりまくりだし、そのラブシーンがやたらHっぽいのも気になる。2人が恋心を抑えてときめくシーンが序盤で足りないので、怒濤の濡れ場攻撃についていけない。

 実際2人が肉体関係を持つまでにときめくシーンはほとんどなかった。彼は一度パーティで彼女に会ったきりで、あとは手紙のやりとりで盛り上がっていただけだし、彼女にしても彼の才能への恋から、いつ男への恋に変わったのかが描かれていない。

 それでも衣装やセットなどで★2ぐらいはいけそうだが、座長がマーロウと話している間にずっとSEXしているシーンや、ヒロインが初体験している間に乳母がゆりいすを揺らしてSEX音をカモフラージュするなど、下品な笑いが多いのが★1の原因。シェイクスピアを扱いつつも、すごくベタにアメリカ的な笑いだった。舞台を巡る笑いとしても『ブロードウェイと銃弾』などもっと洗練された映画が先にあるし…。最後、『十二夜』のヒロイン・ヴァイオラの名前の由来にしても、「そうだったのか!」と感心しそうになって「あ、ホラだった…」とシラけてしまった。そりゃ後からなら、どうとでも出来ます。

 昔の人が羽ペンで書いた後に粉のような物をまぶしていたなど、細かい時代考証だけは良かった。

(評価:★1)

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