[コメント] 風の歌が聴きたい(1998/日)
1998年9月のことです。
偶然にもこの映画のモデルとなった高島良宏さんは、私が住む県の御出身で、しかも私の出身市にあった聾学校を卒業なさったという関係から、この作品の地元上映の際に、高島さんのミニ講演を聞く機会を得ました(というか、講演内容を速記反訳させていただいたのですが)。
口話がお得意な高島さんが口話で講演をし、それをボランティアの方が手話通訳する予定だったのですが、喉の調子が悪いとのことで、急遽手話による講演・それをボランティアさんが口話に通訳と、逆転させることになりました。私はその通訳さんのお話を速記したのですが、人の手話は読み取りにくいようで、通訳さんの苦闘ぶりは、手話の全くわからない私にもよくわかりました(というか、申しわけないけれど、非常に聞き取りにくい通訳になってしまい、後から「しどろもどろになってしまってすみません」とおわびを言われてしまったほどです)。
そういったことを割り引いても、決してお話が得意ではない方という印象は受けたものの、率直で飾り気のない方であることは、手話がわからなくても、十分伝わってくるようでした。
ちょっと小柄で、健康的に日焼けした好男子という印象の高島さん役を天宮良が演じたのは、本当に大成功だったと思います。美人の奥様の方にお会いできなかったのが残念でしたが、やんちゃそうだけれど、とても賢くてかわいい息子さんが、なめらかな手話でパパと話している姿が印象的でした。ちなみに、割と有名な話かもしれませんが、高島ファミリーは、映画にもちょこっとだけお顔を出しています。
全編日本語字幕入りということでも話題だったせいか、聴覚障碍を持つお客さんが大勢いらしていたこともあり、手話で話すシーンなどは、笑いのタイミングに微妙なズレが見られるのがわかったり、本当に貴重な映画鑑賞体験でした。
余談ながら、後で24時間テレビ関連行事の無料上映会やDVDで見た長女も相方も、私が初めて見たときに抱いたのと全く同じ感想を口にしたのには笑ってしまいました。きっと日本中で言われていた言葉なんではないかと思います。
「え、2時間半もあったの?全然気づかなかったよ」
長尺ものの作品への、典型的な賛辞といえましょう。
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