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[コメント] クライマーズ・ハイ(2008/日)

すぐに怒鳴りすぎ。
ヒエロ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







総じて、観てる方は逆に引いちゃう。堤真一演じる全権デスクの「お前を調子づかせるために500余名は死んだんじゃない!」つう台詞は、映画を作る側に向けられたなら、「正にその通り」なわけ。

地元紙だからこそ、全国紙が書かない濃密な真実を伝えうることができる。そして、それこそが自分たちの存在意義であり、それを否定するものとは徹底的に闘う…。いいですよ。そうだと思いますよ。でも、すぐに怒鳴っちゃいかんでしょう。怒鳴れば怒鳴るほど、演技の空回り(覚悟の無さ)が透けて見えるってもんだ。

劇中、唐突に差し込まれる現時点での山登りシーンも、はぁ?ってな感じで、全然本編に寄与してないもんね。想像するに、主人公悠木と彼の息子との間にある確執にも似た親子の溝が、事故当時の悠木の行動原則に影響してるって事なのか?全然わかりません。原作読んでないし。

役者は、脚本と演出に忠実だったのかも知れん。演技に真摯さがある。高嶋政宏なんざ、「あれ、いつの間にこんなに上手くなったの?」って思わせるほどだ。極めつけは、山崎努演じる社長の重厚さで、顔芸もここまで来ると往年の笠知衆を彷彿とさせた。

だけどねぇ、ただ力むだけで冷静さがなきゃぁ物事先へ進みません。この方手落ち感が逆に迫力を削ぐ結果に繋がっている。これじゃぁ、チャゲ飛鳥のYAH!YAH!YAH!と大差ない。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)Ryu-Zen[*] けにろん[*] 地平線のドーリア[*] りゅうじん[*]

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